ウイーンフィルのショスタコービッチ5番。実に珍しい組み合わせだ。1週間前にネットでは数枚残っていた。
残っているなあーと思っていたら、次の日突然買えなくなっていた。あわてて電話すると
「Partial Viewしかない」
Partial Viewに$80も出せるか!普通なら$10で売るチケットじゃなかったのか?
そんなわけで当日を待った。チャンスは当日にあり。駄目なら最後
I need ticket!
あるのみだ。
「聞こうと思って聞けないコンサートはない。」
昔ヨーロッパのユースで知り合った人が教えてくれた。正装が無く、ザルツブルグ音楽祭のコンサートに、
オレンジの帽子にオレンジのパンツ、白のTシャツで行き、正装した観客に"Wonderful!"と絶賛された彼は今何をしているだろう?
当日電話したら、やはりあった!$165+TAXなり。席はなんと、、前から5列目、中央。隣に日本人の方が1人で来ていたので
「今日買ったんですか?」と聞いたら「1年前に買った。」とのこと。相当ラッキーだと思った方が良いと不満げに言われたが、
当日すごいチケットが出ることはよくあるんですよ。


Vienna Philharmonic Orchestra
Mariss Jansons, Conductor
BEETHOVEN Symphony No. 2
SHOSTAKOVICH Symphony No. 5
プログラムはベートーベンからスタート。実は、オケ間近の席はあまり好きではありません。それは弦がさわさわ、
と微妙に不揃いな音が聞こえるから。しかし、ウィーンフィル、そんな音は聞こえません。終わってみればこの席、非常にラッキーでした。
これほど美しい弦のアンサンブルを、繊細なpppまで完璧に楽しむことが出来るとは!
さて、注目のショス5。ウィーンフィルがショス5をやるなんてかなり珍しい。今日の指揮者が実はムラビンスキーの指導を受けており、
指揮者が得意としているのだろう、と隣の方。レニングラードフィルの助手だったことがあるんですね。
しかし、ショス5は難曲だ。どんなオケでもソリストが必ず誰か音を外す。がさつになる。
ウィーンフィルのお手並み拝見といったところだ。ムラビンスキーのショス5と言えば、やっぱり超速ショス5だろうか?
しかし、それが大違い、平均的なテンポよりややゆっくりな程度だった。でも極端に遅いか、普通か速いかしか聞いたことがないので、
この「平均的なテンポよりややゆっくり」なこの速さは初めての体験だった。が、しかし一音一音を非常に大事に、
確実に歌い上げた素晴らしいテンポだった。出だしのアンサンブルで「これはいける」」と思えた。第1楽章は完璧としか言いようがない。
背筋のふるえる名演だった。
しかし、第2楽章でコンマスがソロの音を一つ外すと、やや険悪なムードが漂った。(コンマスがかなり落ち込んでいた。)
第3楽章でさらにクラリネットがそろで致命的なミス(指違い)を起こした。そこでオケの緊張感が切れてしまった。
第3楽章の弦のアンサンブルに期待していたのだが、前2楽章に劣るものになってしまった。しかし、第4楽章は見事挽回。
見事なフィナーレを迎え、観客総立ち。何が良かったって、自分的にはフルート。こんなに甘く美しく歌ったソロは聴いたことがない。
パーフェクト。若手でしたが、今後にさらに期待。
New York Timesの批評もなかなかでした。
A performance of this work 12 years ago, with Georg Solti conducting, lives in the memory as one of the Vienna Philharmonic's few failures at Carnegie: pretty in a way that the work is not. Here, Mr. Jansons, who was born in Latvia and has worked extensively in Russia, galvanized the players to a Slavic intensity, something utterly remote from Viennese charm.
The first movement was slow to catch fire, but the cellists brought the performance to heated life with their slashing bows at the start of the second. And from then on, for all the admirable exertions of the woodwinds and brasses, the strings gripped the attention, whether sustaining the finest thread or bursting with harsh sonority. from The New York Times
アンコールは珍しく2曲あった。ワルツ系で締めるかと思ったら違ったから、おかしいな?と思っていたらやはり、もう一曲。
それにしてもニューヨークの観客は早く帰りたがりだ。ショス5が終わった瞬間出ていこうとする奴が多数。オケに喧嘩売ってんのか?
今度カーネギーホールに行くとしたら2階のバルコニーの真ん中をとりたい。オーケストラフロアの席と2階バルコニーの客層・
服装を見るとよく分かる。1階にはいろんな奴がいるけど、2階1列目は皆正装だった。ラフな格好の奴が多かったのが意外だった。
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